ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟問題が大きな影を落とす2014年のクリミア併合。ロシアのプーチン大統領はその6年前、NATO首脳に直接抗議していた。なぜ、警告を生かせなかったのか。第8回に続き、NATO前事務総長アナス・フォー・ラスムセン氏に聞く。

 ―プーチン・ロシア大統領のウクライナ侵略は2014年の南部クリミア半島併合に始まる。

 「もっと前から予兆はあった。私は09年8月1日、米欧の軍事同盟、北大西洋条約機構(NATO)の事務総長に就任した。その前は母国デンマークの首相を務めていた」

 「在任中の...