笛や太鼓に合わせて練り歩く山車=安来市安来町
笛や太鼓に合わせて練り歩く山車=安来市安来町

 安来市の夏を彩る「やすぎ月の輪まつり」が14日夜、市中心市街地で開かれた。出雲国風土記のサメ退治伝承にちなむ「月の輪神事」があり、サメに見立てた三日月形の灯籠や矛で飾られた山車が練り歩いた。17日まで毎晩行われる。

  江戸時代に疫病退散のため永久に続けると願をかけたと伝わる神事は、月の輪まつりの他のイベントが新型コロナウイルス禍の影響で2020年から見送られる中でも、絶やさず続けられている。

 今年も地元の新町、西御幸、大市場、八幡町の4自治会が山車を繰り出した。笛や太鼓に合わせ、サメ退治にまつわる「みんな、みんな、出てきて手伝ってくれ」という意味の「エンヤー、エンヤー、デコデットーヤ」のかけ声とともに、木戸橋付近から安来港まで約1キロを巡行した。

 月の輪神事奉賛会の今田茂治会長(67)は「永代願がかけてあり、ましてや疫病対策の祭り」と継承する気概を語った。

 14日は安来港の花火大会も、打ち上げ規模を6千発から約1700発に縮小しながら3年ぶりに開かれ、市民を楽しませた。