きょう9月5日は「石炭の日」らしい。理由が分からず、「?」が頭に浮かぶ人も多いだろう。「クリーンな石炭」を意味する「クリーン(9)コール(5)」が由来という。かなり強引な語呂合わせだ▼他の化石燃料に比べ発電時に二酸化炭素(CO2)の排出量が多く、地球温暖化の元凶とされる石炭。そのイメージアップを図り、クリーン化に向け技術開発に取り組んでいるのをPRする日として、1992年に通商産業省(現経済産業省)の呼びかけで制定された▼中国電力はCO2の分離・回収技術や低炭素石炭火力発電の実証実験を展開。11月に営業運転を始める石炭火力の三隅発電所2号機(浜田市三隅町岡見)も、従来より高効率でクリーンという触れ込みだ▼ところがそんな脱炭素化に向けた努力を一掃するように、政府は従来の方針を百八十度転換。原発の新増設を打ち出した。将来的な電力の安定供給という意義は分かるが、使用済み核燃料の処理や高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場問題など課題は山積している。何より、原発に対する国民の信頼が醸成されているとは言い難い。電力の安定供給という理由で押し切るのは、それこそ強引だろう▼本紙は「こだま」欄で、新増設に対する皆さんの意見を募集している。投稿の紹介に合わせ、論説委員によるコラムや解説記事を掲載する。新増設の「?」について一緒に考えてみたい。(健)