鬼岩の前に設置された石像=大田市大屋町
鬼岩の前に設置された石像=大田市大屋町

 島根県指定天然記念物で、日本遺産の構成要素になっている「鬼村の鬼岩」(大田市大屋町)の認知度を高めようと、地元住民が鬼の石像を設置した。鬼にまつわる言い伝えを踏まえ、石仏石像彫刻師が製作。住民たちは地元のシンボルを次世代につなげたいと意気込む。 (曽田元気)

 鬼岩は海底火山の噴火でできた凝灰岩で、高さ約15メートル。岩に含まれる塩類によって風化し、特徴的な大小のくぼみができた。側面に開いた五つの穴は、鬼がつかんだ指の跡との言い伝えなどが残る。

 「鬼岩の願い像」と名付けた石像作りは、地元住民でつくるふるさとおにむらづくり実行委員会が企画し、坪内正史さん(65)=安来市飯島町=が手がけた。9月中旬から福光石を削り、突き出した右手は手を合わせる来訪者にパワーを与えたいとの思いを込めた。高さ約60センチで、鬼岩の前に設置した。

 実行委はパワースポットとして訪れてもらうことを期待。渡辺隆司会長(71)は「少しでも多くの人に興味を持ってもらい、特に若い人に来てほしい」と話した。

 鬼岩の魅力を伝えるフォトコンテストも企画し、10月31日まで作品を募っている。応募者全員に参加賞を贈る。問い合わせは大屋まちづくりセンター、電話0854(82)5580。