一面に咲くコスモスを車窓から楽しむ住民=島根県隠岐の島町岬町
一面に咲くコスモスを車窓から楽しむ住民=島根県隠岐の島町岬町

 【隠岐の島】島根県隠岐の島町岬町の耕地(26アール)に植わる約40万本のコスモスが見頃を迎えた。台風14号で倒れたが1週間で自然に起き上がり、ピンクや紫の花々がたおやかに風に揺れる。

 コスモス畑は同町栄町の会社経営、斎賀淳さん(72)が、隠岐空港近くの私有地を開墾し昨年始めた。6月に種をまき、草取りや消毒に手間をかけて育て、9月上旬につぼみが開き始めた。だが台風14号が19日に最接近。近くの西郷岬で最大瞬間風速36メートルを観測するほど強風が吹き荒れ、被害に見舞われた。

 通過後に斎賀さんが畑に行くと多くが倒れた状態で「がっかりした」という。しかし花は少しずつ元に戻り始め、次々と咲いた。

 一面に広がる花々に、隣接する県道43号を通る車からは後部座席の窓を開けて見入る人の姿も。斎賀さんは「地域への恩返しのつもりでやっている」と話し、28日は重機で駐車場を整備した。見頃は今週末までで、花は11月初めまで楽しめるという。 

 (鎌田剛)