わが家に眠っていたキーボードを後輩に譲った。今春大学に進んだ娘が園児だった頃、情操教育にと買い与えたが見向きもされず、埃(ほこり)をかぶっていた。「親の心子知らず」というより、親のエゴだったのだろう。後輩宅では4歳と2歳の姉弟が競うように弾いているらしい▼この子はどんな教育を受けているのだろう。今月26日、2歳11カ月でCDデビューする村方乃々佳ちゃん。小さな体をリズミカルに揺らしながら、真剣な表情で『犬のおまわりさん』を歌う姿が会員制交流サイト(SNS)で注目され、動画再生回数は1800万回を超える。愛らしい姿を見て目尻を下げた人も多いのでは▼母親によると、乃々佳ちゃんが赤ちゃん特有の喃語(なんご)でリズムを取るようになったのは生後9カ月ごろ。毎日歌を聴かせて、「おはよう」「おいしいね」などの言葉もメロディーに乗せて語り掛けると、1歳7カ月で歌い始めたという▼初めての曲も一度聴けば口ずさむことができ、レパートリーは約150曲。SNSを見ると、童謡だけでなく、あいみょんの『裸の心』も上手に歌っていた▼末恐ろしい2歳の歌姫だけに『うっせぇわ』など流行の曲もすぐに歌いそうだ。いつまでも愛らしさを求めるのは周りのエゴだろう。「こうあってほしい」と大人が勝手に抱く型にはめることなく、子どもたちの個性や才能を伸ばしてやりたい。きょうは「こどもの日」。(健)