先日の本欄で、出雲市出身の同僚が「鯨肉の七味焼き」なる学校給食メニューの思い出に触れていた。鳥取市出身の筆者が懐かしいメニューは「イカのノルウェー風」。一口大のイカの天ぷらにケチャップベースのたれを絡め、パセリを散らしてある▼かつて他地域で唐揚げにしたクジラやマグロをケチャップ味で仕上げ、ノルウェー風と称すメニューがあったらしい。鳥取市民はイカをよく食べる。総務省家計調査の都道府県庁所在地ランキング(2018~20年平均)でも、1世帯当たり購入量が青森や富山に次ぐ3位(松江は8位)。ありふれたイカがノルウェー風と名乗ると、いかにも、おしゃれな料理になり、わくわくした▼鳥取市民が好きなサバでもノルウェーが貢献する。同市気高町酒津(さけのつ)で加工した塩サバは「酒津のサバ」と呼ばれ、うまいサバの代名詞。加工業者によると、もともとは酒津に揚がるサバを使って加工が発達し、その後、脂の乗りが良いノルウェー産を使うようになった▼酒津ブランドは時代の波にさらされた。かつて「酒津のサバ」の商品名で店頭に並んだが、原産地表示ルールができると「塩サバ ノルウェー産」となり「酒津加工」などと記すシールを添えるようになった▼倉吉市では「スタミナ納豆」という給食メニューが今も愛され、歌や踊りまである。鳥取のソウルフード・酒津のサバにも歌や踊りがあっていい。(志)