益田市内を拠点に活動する石見神楽社中の有志でつくる「MASUDAカグラボ」が、歌舞伎界のホープ・尾上右近さんらと共演する舞台が30、31日と2023年1月1日、東京・丸の内の東京国際フォーラムである。詩楽劇「八雲立つ」と題し、古事記に描かれたスサノオノミコトとイワナガヒメの魂の交わりをテーマにした構成。年末年始へ向けカグラボのメンバーが稽古に励んでいる。
(中山竜一)
法衣や装束の制作、販売などを手掛ける井筒(京都市)が主催。尾上右近さんがスサノオ、女優の水夏希さんがイワナガヒメを演じる。構成・演出は日本舞踊家の尾上菊之丞さんが手がけ、自身も出演する。
益田の神楽社中は近年、歌舞伎や日本舞踊、人形浄瑠璃、コンテンポラリーダンスと多彩な芸能と共演経験を積み、カグラボには今年5月、出演依頼があった。配役、スタッフを含め市内5社中から10~40代の15人が参加する。
7日夜の練習は同市久城町の櫛代賀姫(くししろかひめ)神社神楽殿であり、大蛇の8人がタンゴのリズムに合わせて舞台に登場するタイミングや、「大輪」「縄」といった石見神楽の集団演技を練習した。
総合プロデューサーを務める石見神楽保存会久城社中代表の神田惟佑(ゆいすけ)さん(41)は「まずはわれわれ演者とスタッフが楽しむことで、見てくれる人を喜ばせたい。夢の舞台を楽しんでほしい」と語った。
メンバー最年少で大蛇を演じる益田東高校3年榎並愛斗さん(18)は「東京で舞うのは初めて。コラボの場面を大切に演じ、自分たちの良さも見せたい」と意気込んだ。
開演時間は30日が午後4時の1回、31日と1月1日の両日は午前11時、午後4時の2回公演。全席指定でSS席1万2千円、S席8千円、25歳以下4千円。問い合わせはMASUDAカグラボ事務局、電話0856(25)7143、メールアドレスmasudakagulab@gmail.com