校則に関するアンケート結果
校則に関するアンケート結果

 頭髪や下着の色を規制するなど、プライバシーや人権に関わる不合理な校則が問題化する中、全国の都道府県と主要市区の計99教育委員会のうち、2017年度以降、各学校に校則見直しを求める通知を出したのは3割弱の28教委にとどまることが16日、共同通信社のアンケートで分かった。「検討中」を含めても計39教委と4割に満たなかった。

 鳥取県教委と松江、鳥取両市教委は通知の予定はなく、島根県教委は「検討中」と答えた。

 文部科学省は「社会の常識、時代の進展など」に応じて校則を絶えず見直すべきだとしているが権限は校長にあるとされる。17年、大阪府立高の生徒が地毛の黒染めを強要されたとして提訴したのを機に各教委に問題意識が広がっているものの、迅速な見直しを後押しする通知発出などの対応には、ばらつきがあることが浮き彫りになった。

 通知を出す予定がないと回答した教委は「各校が実情に合わせて校則を適切に定めており、現段階では見直しを求める必要性が認められない」(福島県教委)、「研修などで不断の見直しを啓発している」(京都府教委)などとしている。

 教職員による点検行為が人権侵害につながりかねないと指摘されている下着(肌着)の色指定の校則を巡り、実態調査したと回答したのは松江市教委など39教委。少なくとも同市内11校を含む計392校が指定していた。

 生来の髪色などを申告させる「地毛証明」については約3割の34教委が調査し、少なくとも計277校が提出を求めていた。県立高43校で地毛に関する校則を確認した神奈川県教委は「事実誤認による指導を未然に防ぐため」と説明した。

 佐賀県教委は20年3月の通知で、校則見直しの視点に「人権の保障」を挙げた。同4月時点で管轄する14校に下着の色指定、3校に地毛証明の校則があったが、1年後に全て廃止を確認した。