浜田市長沢地区で江戸時代から伝わる「長浜人形」の県伝統工芸士で、継承に力を注いだ安東三郎(号・湖月)さんが2月14日に95歳で亡くなった。長沢の地元では安東さんが立ち上げた人形教室が今も続く。弟子たちは功績と人柄をしのび、伝統人形を後世に残したいと思いを巡らせる。

 1928年、旧那賀郡長浜村生まれ。旧制浜田中学校を卒業し、大学で陶芸と彫刻を学んだ。長浜人形は木島系の人形師に師事し、技を学んだとされる。父親が同じ門下生で人形師だった岩本健次さん(79)=浜田市日脚町=は「技は目で盗むという学び方だったようだ」と話す。

 安東さんは独自に成形の型を作る技法を追求し、...