円周率の数字はどこまでも続く?(イラスト・林ユミコ)
円周率の数字はどこまでも続く?(イラスト・林ユミコ)

 「ホワイトデー」の3月14日は海外では「円周率の日」。日本では「数学の日」になる。どちらも円の直径に対する円周の比率の近似値「3・14」にちなんだ設定。ついでながら、この日は米国の理論物理学者アインシュタインの誕生日にも当たる▼3・1415926535…。不規則な数字が延々と続く円周率は数学ではギリシャ文字の「π(パイ)」で表記され、古代ギリシャの数学者アルキメデスもその計算に挑んだ。近年はコンピューターを使った計算が急速に進化。2019年に小数点以下約31兆桁、21年に約62兆桁、昨年は100兆桁まで進んだ▼素人考えでは「何でそこまで厳密に」と思う。しかし「最も重要な数学の定数」とされる円周率は、コンピューターの進化や宇宙開発などにも欠かせないという▼意外な活用法だと思ったのが、コメディアンで俳優の伊東四朗さん(85)のケース。何と円周率を千桁まで記憶し、暗唱しているそうだから驚く。きっかけは「産(3)医(1)師(4)異(1)国(59)に(2)向(6)こう(5)産(3)後(5)…」という語呂合わせを新聞で知ったこと。日常的に暗唱を繰り返すことが脳のトレーニングになるようだ▼円周率に限らず、世界の国名や歴代首相名などの暗唱でもいいらしい。ちなみに筆者の知人は毎晩、寝る前に歴代映画俳優の名前を暗唱している。円周率の千桁に比べると「脳トレ」の難易度は下がるだろうが、そのやり方も楽しそうだ。(己)