食用バラの育種研究や栽培、加工・販売を手がける(有)奥出雲薔薇園(大田市長久町)で、年4トンのバラの花びらを生産する。香りや色、薬草としての効能や美容成分といった観賞にとどまらない価値を商品化し、国内外の愛好家に届けている。

 バラに目を付けたきっかけは。

 「家業は農業だが、従来の生活に根ざした農業ではなく、気持ちを高揚させるような農業がしたいと思っていた。島根を起点に、品格がありすてきさを追求する人をターゲットにしたビジネスをしようと考え、花の加工品を通年で売り込むことに決めた。バラはイスラム教やキリスト教文化圏でも大きな意味を持つように、古今東西で唯一無二の存在。世界を見据えるならバラだと確信していた」

 海外での手応えは。

 「輸出に本腰を入れたのは2018年ごろ。商社と...