23日に告示された鳥取県知事選には現職と新人の計2人が立候補した。舌戦を繰り広げる候補者の素顔を紹介する。
福住 英行氏(共産新)
激辛食べ ストレス解消
座右の銘は「勝つ方法は諦めないこと」。前沖縄県知事・故翁長雄志氏の言葉だ。米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設や輸送機オスプレイの飛行反対を貫いた姿勢を「原発ゼロの社会を目指す」自身の姿に重ねる。居住する米子市は中国電力島根原発(松江市鹿島町片句)の周辺自治体だ。
子どもの頃から不条理や疑問を感じると、深く考え込む性格。
千葉大1年の時、先輩の誘いで共産党に入り、学内で核兵器廃絶を求める署名活動や、学費の引き下げを訴える運動に取り組んだ。5コマ目の途中で教室の暖房が止まり寒くなることを問題視し、有志と「千葉大をあったかくしようね会」を立ち上げた。集めた署名を大学側に渡して交渉した。
党務では、動画や交流サイト(SNS)などデジタル分野を担当する。ストレス解消方法は、大好きな激辛料理を食べること。ただ「翌日の体調に影響することもある」ため、選挙期間中は我慢。投開票日には、充実感とともに味わいたい。
米子市車尾4丁目。47歳。 (岸本久瑠人)
平井 伸治氏(無所属現(推)自民、立民、公明)
相手に届く話術を意識
イベントでのあいさつなどで、駄じゃれや和歌を織り交ぜて聞き手を引きつける。身近で分かりやすい話術を意識するきっかけは、総務官僚時代にニューヨークにいた頃、機内で隣の座席になったアメリカの知事がテレビ出演の練習をしているのに居合わせたときだ。身ぶり手ぶりを交えて何度も繰り返す姿に「心をつかむように、相手に届くように表現するべきだ」と考えるようになった。
県内にスターバックスの店舗が全国で唯一なかった時期に「スタバはないけどスナバがある」と発言。予想以上の反響があり「理屈を並べるよりも、テイストを加えて訴えた方が記憶に残る」と学んだ。以降は駄じゃれを意識的に使うようになった。「世間は駄じゃれと呼ぶけど、自分ではキャッチフレーズだと思っている」と笑う。
スマートな印象を持つ人は多いが、東京の下町で育った江戸っ子で「導火線は短い方」と自己分析。理不尽だと感じると「顔に出る」という。
ただ、話術を磨いても妻には議論では勝てず「私よりよっぽど口が達者」と頭が上がらない。
鳥取市東町1丁目。61歳。 (岸本久瑠人)