■江津(定数1)
2019年前回選の再戦となった。4年前、わずか468票差で勝利した自民党現職の坪内と、立憲民主党元職の山本が激しい一騎打ちを展開する。両陣営とも有権者の反応から、投票率は64・95%だった前回を下回ると予想。当選ラインは6千票前後とみる。
坪内は建設業を中心に支援を受け組織票を固める。坪内の推しもあり、昨春の江津市長選で山本に競り勝ち初当選した江津市長の中村中も告示日から同行し支持を訴える。参院議員の舞立昇治(鳥取・島根合区選挙区)、衆院議員の高見康裕(島根2区)も相次ぎ現地入りしマイクを握った。
国、島根県、江津市とも保守系が多数を占める現状から坪内は連携継続と議席の死守の必要性を唱える。終盤戦は支援企業での街頭演説や全域を細かく回る戦略。支援者による電話や声かけでも支持拡大を図る。
山本は江津市議5期途中と、県議1期を務めた豊富な議員経験から、党派を問わず高齢者を中心に一定の支持を得る。選対の中心として下支えする立民の江津市議に加え、参院議員で安来市出身の石橋通宏(比例区)、大田、益田の両市議が応援。山積する地域課題の解決には政治の変革が必要だと訴える。
3日から街頭演説そのものは減らしたが、人口が多い市中部と西部を重点的に回り、ローラー作戦を展開する。要所では緊急的に街頭演説し、団地などで浮動票の掘り起こしを狙う。
=敬称略=
(村上栄太郎)
◇江津選挙区立候補者(定数(1)-2人、届け出順)
山本 誉 65 立元(1)
坪内 涼二 41 自現(1)
■西伯郡(定数2)
現役最多の当選7回を重ねたベテラン現職が引退。後継として立候補した立民新人の村上、前回選の雪辱を期す自民系新人の篠原、大票田・大山町を地盤とする自民党現職の鹿島が激しく競る。各陣営は7千票を当選ラインとみて、地元票を固めつつ、他候補の地盤に攻勢を仕掛ける。
昨夏の参院選・鳥取島根合区選挙区で苦杯をなめた村上は、引退する現職・福間裕隆の個人後援会の全面的な支援を受けて態勢を構築した。ただ、参院選に出馬したとはいえ知名度不足が課題で、前回選で約8300票を獲得した福間も選挙カーに乗り込み、選挙区全域を遊説。二人三脚で立民系議席の維持を狙う。
合併前の旧町時代を含め、24年ぶりとなる伯耆町出身の県議を目指す篠原は、前回選で他町村の得票が伸びず、597票の僅差で三つどもえの戦いに敗れた。このため、町議14人中11人の支援を受け、地元の票を固めるとともに、引退した福間の地盤、南部町を徹底的に回って前回選から千票の上積みを目指す。
有権者数が郡内最多約1万3千人の大山町から立候補した鹿島は、町議15人中13人が支える。1期目の実績をアピールするが票を固め切れているとはいえず、危機感を強める陣営幹部は2日夜の個人演説会で約100人を前に「本当に厳しい。(戦いは)団子状態だ」と強調。組織を引き締め、最終盤の戦いに臨む。
=敬称略=
(柴田広大)
◇西伯郡選挙区立候補者(定数(2)-3人、届け出順)
村上泰二朗 34 立新
篠原 天 60 無新
鹿島 功 68 自現(1)