絵本の内容よりもページめくりに集中している
絵本の内容よりもページめくりに集中している

 独身時代から書店や図書館で絵本を見るのが好きだった私は、わが子と一緒にページをめくる穏やかな絵本タイムをとても楽しみにしていた。

 生後1カ月ごろから読み聞かせてみたが、当然のごとく無反応。どこを見ているのかも分からないし、やり取りができるわけでもない。思い描いていた「楽しさ」からは程遠かった。それに赤ちゃん絵本の多くはストーリー性がなく単調で、言葉も短い。自分自身が退屈に感じ、読むときも感情を入れにくく苦手意識を持つようになった。

 子が何でも口に入れるようになると、絵本は格好の餌食になった。表紙を熱心にかんだりなめたり、ページをちぎったり破ったり。いつになったら絵本時間が楽しめるのか…。

 変化を感じたのは保育所に通い始めてから。聞き慣れない文章をつぶやくことが増えた。その都度ネットで検索すると、見事絵本のタイトルがヒットする。図書館で借りてくると、保育所でなじみのある絵本だからか大喜びでページをめくった。

 それでも、文章が長いと飽きるのだろう。次から次へとページをめくり、あっという間に終了。私としてはちゃんと最後まで読みたいのだが、本人は「めくる」方が楽しそう。どうもイメージしていた読み聞かせとは違った。

 3歳になり、ようやく膝に乗せて読む「読み聞かせスタイル」が実現。「わたしのワンピース」「からすのパンやさん」など懐かしい絵本に再会し、何ともいえないうれしさに包まれた。

 子は絵本の隅々までを観察して、細かい描写を発見し、記憶する。普段の生活で子は「あの絵本に出てきたねぇ」と教えてくれる。でも私は「?」となってしまう。童心に返り一緒に楽しんでいるつもりでも、結局文章を追うのに一生懸命で、視野が狭いからだ。

 同じ絵本を「もう1回読んで」と何度もせがまれ、延々と読み続けて声を枯らす日も多い。そこに1歳の弟が、自分も読んで、と別の絵本を持ってくることも悩み。同時に別の絵本を読めないし、かといって1歳にとって3歳の絵本はつまらないので弟は勝手にどんどんページをめくり、読み聞かせが成立しない。ふがいなさを感じる今日この頃だ。

 (文化生活部・増田枝里子)

    =毎週土曜掲載=

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