「仙台市中心部でタクシーに乗車し、近距離の目的地を告げたら、運転手が不機嫌になって怖い思いをした」。精神疾患を抱える市内の女性から悩みが寄せられた。短い距離でも歩くと疲れてしまい、タクシーに頼らざるを得ないという。(河北新報・喜田浩一)

 仙台市青葉区の30代主婦は2022年5月、JR仙台駅西口近くで客待ちをしていたタクシーに乗った。平日の昼下がり。買い物をし、大きな荷物を持っていた。「目的地が近くてすみません」。1キロ余り離れた自宅の住所を告げると、年配の男性運転手は、黙って車を発進させた。

 女性は長年、うつ病を患う。市中心部の診療所を受診する際、歩いて行ったことがあったが極度の疲労に襲われ、寝込んでしまった。以来、「やっぱり歩くのは無理」と通院や買い物でタクシーを使う。

 運転手に「交差点を曲がってください」と頼んだが、ここでも返事はなかった。「私はそこまで嫌われることをしたのかしら」。到着して支払いをする時も終始無言。運転手は前を向いたまま、...