岡田屋本店が売り出した「島根ジン 森恩」=益田市染羽町、同社
岡田屋本店が売り出した「島根ジン 森恩」=益田市染羽町、同社

 益田市染羽町の酒造会社岡田屋本店が28日、同市匹見町に自生するクスノキ科の広葉樹・クロモジを香り付けに使った蒸留酒「島根ジン 森恩(しんおん)」を発売した。島根の森の豊かな恵みに感謝する思いを商品名に込めた。爽やかな香りを売りに、蒸留酒愛好者にアピールする。

 ベースは麦焼酎で、匹見町のワサビ生産者から仕入れたクロモジの枝をつけ込んで香り付け。森林浴しているような爽快感が味わえる食後酒として売り出した。益田のヒノキやユズもボタニカル(香草)として使用した。

 コロナ禍で売り上げが減少する中、新商品開発を検討。9月にスピリッツの製造免許を取得し、試作を重ねた。

 同社は台湾やスイス、ドイツなど海外11の国・地域とも取引があり、大谷弘二取締役(63)は「海外で日本の蒸留酒人気が高まっている。国内外で販路拡大を目指す」と話した。

 500ミリリットル入り3300円。地元スーパーなどで販売し、初年度は2千本の出荷を目指す。 (中山竜一)