道路が冠水し、立ち往生したタクシー=8日午前8時35分、出雲市大社町杵築北
道路が冠水し、立ち往生したタクシー=8日午前8時35分、出雲市大社町杵築北

 停滞する梅雨前線の影響で、列島は8日、日本海側を中心に大雨となった。島根県東部では集中豪雨をもたらす線状降水帯が発生。出雲市内で、土砂崩れなどで道路が寸断され、4地区が孤立状態に。出雲、松江両市などでは計約40万人に避難指示が出され、住宅や道路の浸水被害が相次ぎ、出雲市では川に転落した車に乗っていたとみられる1人が安否不明となっている。

 県は8日、出雲市に災害救助法を適用すると発表した。

 松江、鳥取両地方気象台によると、降り始めからの雨量は8日午後9時時点で、松江市鹿島228・5ミリ▽出雲空港(出雲市斐川町沖洲)178・5ミリ▽海士(島根県海士町)177・5ミリ▽出雲市芦渡町166ミリ▽境港市境150ミリ-など。

 出雲署によると8日午後3時ごろ、出雲市美野町で自動車が伊野川に転落。運転手が取り残されているとみられ捜索が続いている。

 松江、出雲両市と知夫村の全域、大田市と隠岐の島町、西ノ島町の一部で警戒レベル4の避難指示、吉賀町と津和野町、雲南市の一部で警戒レベル3の高齢者等避難が発令された。松江、出雲両市を含む10市町村で避難所が計106カ所開設された。

 出雲市では民家の一部破損が3件、床下浸水が20件あった。また、土砂崩れによって市内の日御碕(236世帯578人)▽鷺浦(96世帯166人)▽猪目(27世帯50人)▽塩津(57世帯117人)-の4集落が午後7時時点で孤立状態になっている。

 JR西日本は8日、山陰線、木次線の一部で運転を見合わせ、特急もほぼ運休。一畑電車も全便運休した。

 9日はJRが木次線、山陰線、山口線の一部区間で始発から運転を見合わせ、特急列車も多くを運休する。一畑電車も終日運転を見合わせる。

 両地方気象台によると、10日にかけて大雨が続く見込み。10日午後6時までの24時間降水量は、両県とも多いところで100ミリとなっている。 (山口春絵、黒崎真依)