3-0で益田東を下した島根大会決勝。試合後、マウンド付近にできた歓喜の輪の中で立正大淞南の山下羅馬(らお)と日野勇吹(いぶき)は1年越しの思いをかみしめた。この日は被安打5、9奪三振で無失点。2人で継投した同大会3試合の中でも一番の出来だっただけに仲間と喜び合う際の笑顔はひときわ輝きを放っていた。

 さかのぼること約1年。2人は、決勝終了時とは真逆の心境にあった。昨夏の島根大会準々決勝、2点リードで迎えた八回に山下と日野で5失点し、逆転を許した。山下が「ストライクに入れようと力んでしまった」と話すように、本来の力を出し切れず「自分たちのせいで負けた」と悔しさだけが残った。...