コロナ禍で観光客が減少する中、出雲市の特産品を地元に周知し、消費につなげようと市内の女性たちが奮闘している。女性は市内で生産、製造された魅力ある食品「おいしい出雲」の食べ方や感想を会員制交流サイト(SNS)で発信。商品の普及を図る関係団体とともに観光客以外も手にしやすいパンフレットを作るなど盛り上げに尽力している。 (月森かな子)
女性は市内在住で企業の広報担当や個人でウェブデザイン、SNSの運用などを行う30~40代の5人。「おいしい出雲」を決める出雲推奨商品認定委員会事務局のNPO法人21世紀出雲産業支援センターが、コロナ禍でターゲットとする観光需要が落ち込んでいるのを受け、地元で認知度を高めるため住民や消費者の目線に加え、情報発信力を期待し、協力を打診した。
5人は昨年11月に活動を始め、写真共有アプリのインスタグラムにアカウントを作成。「勝手においしい出雲PR隊」と名乗り、それぞれが認定商品の写真や動画と合わせ、特徴や味、調理アレンジなどのコメントを投稿し、土産や贈答のほか、日常使いもできることをアピールしている。
さらに定期的に同センターと意見交換し、普及促進のグッズ制作にも参加。既存のガイドブックより手に取りやすさを意識したミニパンフレットの作成に関し、掲載内容をはじめ、女性受けを狙ったデザインや設置場所の検討に携わった。
パンフはこのほど完成し、9センチ四方の見開きで公式サイトのQRコードや「おいしい出雲」の概要などを紹介。意見交換の際にお披露目された5人は早速全員でインスタ用の動画を撮影し、PRした。
メンバーで、個人でウェブデザインなどを手掛ける糸川沙織さん(34)=出雲市斐川町中洲=は「地元で『おいしい出雲』がもっと話題になるように活動し、市内外にも広げていきたい」と意気込む。担当する同センターの金築順子さん(43)は「市民の力を借り、声を反映させて広くPRし、商品の販路拡大につなげたい」と話した。