パブリックビューイング会場で三浦龍司選手を応援する来場者=浜田市下府町、国府小学校
パブリックビューイング会場で三浦龍司選手を応援する来場者=浜田市下府町、国府小学校

 23日(日本時間)にブダペストであった世界陸上選手権男子3000メートル障害決勝で、三浦龍司選手(21)=順大、浜田東中-京都・洛南高出=が6位入賞した。浜田市内のパブリックビューイング(PV)会場では、早朝のレースにもかかわらず、市民がスクリーンの前で大きな声援を送り、世界陸上では日本人初となる入賞をたたえた。

 PV会場となった三浦選手の母校・国府小学校(浜田市下府町)の体育館には、午前4時過ぎに三浦選手が小中学生時代に通った陸上教室の子どもたちや地元住民ら約100人が集まり、熱気に包まれた。

 参加者たちは、レース前からスティックバルーンをたたきながら「がんばれ龍司」「負けるな龍司」と声を張り上げた。陸上教室に通う石見小学校6年の三明美咲さん(11)は「目標の選手。3位以内に入ってメダルを取ってほしい」と、スタートの時間を待った。

 レースが始まったのは午前4時45分ごろ。三浦選手は序盤は後方に付けていたが、最終周で5位に順位を上げると会場のボルテージは最高潮に。大社高校陸上部に所属する牛尾壮太さん(17)は「ギルマ選手(エチオピア)らトップ選手がそろう中、それに食らいつくレース展開ができるのはすごい」と目を輝かせた。

 ゴール直前で順位を下げたものの、東京五輪7位入賞に続く快挙を成し遂げた三浦選手。入院先の岡山市内の病院でテレビ観戦した恩師の上ケ迫定夫さん(69)=浜田市生湯町=は「本人も自覚していたと思うが、最後のゴール前は力を緩めちゃいけないよと言いたかった」と苦笑いしつつ、かつての教え子の成長ぶりに「本当にメダルが狙えるところまで来た。来年のパリ五輪で(メダルを)つかみ取ってほしい」と期待した。
  (宮廻裕樹)