9月1日のベニズワイガニ漁解禁を翌日に控えた31日、境港市昭和町の境漁港で、かにかご漁船の出漁式があった。水産関係者や乗組員の家族ら約200人が安全操業と豊漁を祈りながら、日本海沖の漁場へと向かう漁船を見送った。漁期は来年6月末まで。
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境漁港は2022年漁期の統計(速報値)で、ベニズワイガニの水揚げ量が全国一の4633トンだった。
23年漁期は鳥取、島根、新潟各県の10隻が境漁港を拠点に操業。資源保護のための漁獲上限は、22年と同じ計5930トン(兵庫県の1隻を含む)とした。
出漁式では、境港カニ水揚げ日本一PR実行委員会の越河彰統会長や伊達憲太郎市長らの激励に応え、日本海かにかご漁業協会の利見秀治会長があいさつ。「水揚げ日本一の伝統を引き継ぎ、安定供給を目指して努力したい」と述べた。
式後には、「第七十八 丸中丸」(松江市船籍、乗組員11人)など少なくとも8隻が出漁した。
21年漁期の水揚げ量は前期比8・0%増の5227トン、水揚げ額は2%増の30億5500万円。1キロ当たりの平均単価は5・7%減の584円だった。
(松本稔史)