1923年9月1日の関東大震災から1世紀。東京を中心に死者・行方不明者10万5千人余の極め付きの大惨事で、アジア・太平洋戦争への助走でもあった。この震災に巻き込まれた津和野人が、前年に発刊されたばかりの「サンデー毎日」に惨劇の現場を書き残していた。中山泰昌(三郎・1884~1958年)という言論人である。

 中山は津和野の高等小学校卒だが、上京後に出版業を起こし、自ら『日本精史』...