◆学生のお昼に密着 突撃!学食旅①◆
キンコーン、カーコン-。記者にとって、学校のチャイムとともに思い浮かぶのが「学食」だ。高校時代、昼休みはオアシスのような時間で友だちと食事を囲み、談笑にふけった。青春時代のいい思い出だが、何か一つパーツが欠けていた。記者の通った高校には学食がなかった・・・。それだけに憧れが強い。山陰両県の学食にはどんなメニューがあり、どんな光景が広がっているのか。食に目がない記者が突撃取材する。初回は松江北高校(松江市奥谷町)を訪ねた。(Sデジ編集部・林李奈)
70年前からある食堂
旧制中学の松江中の流れをくむ松江北高校は1876(明治9)年創立。全校生徒は734人で県内有数の進学校としても知られる。学食と購買は1953年に営業を始め、70年の歴史を持つ。運営事業者はタダノ百貨店(松江市石橋町)。学食が始まった翌年から購買を切り盛りし、学食は2005年、それまで運営していた給食業者からメニューを引き継いだ。

訪ねたのは9月15日のお昼時。午後0時40分、4時間目の終わりを知らせるチャイムが鳴った。体育終わりで体操服を抱えた生徒を皮切りに続々と生徒たちが食堂に吸い込まれていった。
食堂のシステムはアナログだ。食券機はなく、購買でプラスチックのタグに手書きでメニュー名や番号が書かれた食券を購入する。食券を食堂でスタッフに渡すと番号が呼ばれ、生徒がカウンターまで商品を取りにいくスタイルだ。タグは2005年から使用しており、何度も上からペンで上書きされていた。
「カレーライス一つ」。「お弁当ください」。「おにぎりください」。

続々と購買で「タグ」が売れていった。食堂は購買の隣にあり、...