


JR西日本山陰支社が7日、岡山-出雲市駅間を結ぶ特急やくもの新型車両273系の関係者向け試乗会を開いた。松江駅(松江市朝日町)を出発したブロンズ色の列車が山陰の豊かな自然と一体となり山陰線、伯備線を駆け抜けた。2024年春に運行を始める。
試乗会は、松江駅から米子駅(米子市弥生町)を経由し、根雨駅(鳥取県日野町根雨)で折り返して松江駅に戻る行程で、沿線自治体の首長ら約150人が参加した。
米子-根雨駅間で乗車した伊木隆司米子市長は、車窓を流れる日野川や大山の風景を楽しみ「新しいシートは体圧が分散されて心地いい。ビジネスや観光で大いに使われると良い」と期待。JR西山陰支社の佐伯祥一支社長は「沿線の風景に合った車両になった。末永く愛されることを目指す」と話した。
新型車両の色は宍道湖の夕日、石州瓦の深い赤やたたら製鉄の炎をイメージした「やくもブロンズ」。リクライニングに合わせて座面の角度が変わるチルト機構を座席に採用し、快適さを向上させた。約160億円を投じ、44両(4両11編成)を導入する。車両の揺れ対策として、地図データを使ってカーブなどで自動的に車体を傾ける「制御付自然振り子方式」を採用するが、今回の試乗会では使用しなかった。(佐貫公哉)