年末年始のUターンラッシュが3日、ピークを迎えた。航空便は、羽田空港で発生した日本航空(JAL)旅客機と海上保安庁航空機の衝突事故の影響で欠航や遅れが相次ぎ、山陰から首都圏へ向かう人たちが、替わりの移動手段を確保するなどの対応に追われた。
出雲市斐川町沖洲の出雲空港では、朝の羽田行き始発便が欠航。ロビーでは払い戻しや後続のキャンセル待ちの手続きをする人で混雑した。島根県隠岐の島町に帰省し、羽田に向かう予定だった大学生の若本果歩さん(19)=宇都宮市=は「明日(4日)はアルバイトがあるので今日中に帰りたい。(欠航の理由が)事故なので仕方がないが、乗れなかったらJRで帰るつもりだ」と話した。
JALによると第2~4便は一部が遅れたものの運航。最終の第5便が、機材繰りがつかず欠航するなど終日ダイヤが乱れた。羽田発出雲行きも、5便のうち朝の1便と、夕方以降2便の計3便が欠航した。
全日空(ANA)によると午後10時半現在、鳥取、米子、萩・石見空港発の羽田行きは、米子発の最終便が欠航。鳥取発の最終便の出発が遅れている。羽田発は鳥取、米子、萩・石見で1便ずつ欠航した。
帰省した米子市淀江町から東京へ戻るため、3日午前の米子発羽田行きを予約した団体役員の元林稔博さん(58)は、運航をスマートフォンで確認。出発を待つ米子空港(境港市佐斐神町)のロビーで「今日のうちに帰れそうで良かった」と胸をなで下ろした。
鉄道は、JR西日本中国統括本部によると、上りの特急自由席の乗車率が出雲市-岡山のやくもで15~80%、倉吉-京都のスーパーはくとで最大200%となった。
(井上雅子、吉川真人)