記者会見で謝罪するダイハツ工業の奥平総一郎社長(中央)ら=2023年12月20日、東京都文京区
記者会見で謝罪するダイハツ工業の奥平総一郎社長(中央)ら=2023年12月20日、東京都文京区

 本紙元日付第2部「山陰プラチナエイジ 輝く60代~」で、1960~80年代名車図鑑を掲載した。実際に道路を走っていた姿を覚えている車もあり、興味深かった。オーナーの車への愛情と状態の良さが伝わる▼初めて新車で買った1台前の車には約15年乗った。名車とはいかなくても、珍しいと思われるくらいまで乗るつもりだったが、エンジンルームから煙が出るようになり、諦めた▼一般財団法人自動車検査登録情報協会の統計によると、2023年3月末の乗用車(軽自動車を除く)の平均使用年数は13・42年。思ったより長く、10年前の13年に比べて0・84年延びているという。車は高額な買い物で、物を長く使う考え方や故障しにくくなったことも要因かもしれない▼今乗っている車も使用年数10年を超えた。不具合はなく、先日、車検の見積もりをしてもらった。エンジンとモーターを組み合わせたハイブリッド車(HV)の比率が高まり、電気自動車(EV)の技術が進歩する中ではあるが、平均年数くらいは乗ることになりそうだ▼昨年は、中古車販売大手ビッグモーターによる自動車保険の保険金不正請求問題、ダイハツ工業の認証不正問題が相次ぎ、車を巡る信頼が揺らいだ。修理や部品交換の際も、冒頭のオーナーのような知識がなく、言われることを信じるしかないユーザーも多い。車の基盤は信頼。車への愛情を裏切らないでほしい。(彦)