トヨタ自動車の100%子会社で、軽自動車などを生産、販売しているダイハツ工業で大規模な品質不正が発生し、国内の全工場で出荷が止まっている。親会社のトヨタは資金面を含めて全面支援する考えを示しているものの、悪質な不正も一部あるため、今後、消費者の信頼を取り戻すことは容易ではないだろう。

 ダイハツは昨年12月20日、発売前に新車の安全性などを確認する試験で不正が新たに174件あったと発表。不正は国内で現在、開発・生産中のすべての28車種で見つかった。一例を挙げると、事故の際にエアバッグが開くかどうかを確認する試験時に、センサーの開発が間に合わなかったため、タイマーで作動することでエアバッグを開かせていた。

 こうした試験は「認証試験」と呼ばれる。出荷時に1台ずつ国が求める安全基準などを点検しなくてもいいように、開発段階で実験データを取り、...