立春の4日、松江市南田町の米田酒造で搾りたての新酒の出荷作業があった。従業員や山陰両県の酒販売店11店の関係者ら14人が瓶詰めや車への詰め込みに汗を流し、新酒約2350本を発送した。
春の訪れを新酒で祝ってもらおうと、全国の蔵元や酒販店でつくる日本名門酒会(東京都)が「立春朝搾り」と銘打って毎年開催している。今年は米田酒造と簸上清酒(島根県奥出雲町横田)を含む35都道府県43の蔵元であった。
米田酒造は3日夕に、島根県産酒米の山田錦、五百万石を使って仕込んだもろみを搾り始め、4日未明に瓶詰め作業を行った。早朝には須衛都久(すえつぐ)神社(松江市西茶町)の宮司のおはらいがあり、関係者が箱詰めした純米吟醸酒「豊の秋」をトラックに詰め込んで、各店に送り出した。
今年は例年よりやや甘口の仕上がりになったといい、米田則雄社長(76)は「すっきりと飲みやすい味わいに仕上がった。搾りたてはもちろん、1カ月ほど時間を空けた酒との飲み比べも楽しんでもらいたい」と話した。
(中島諒)