―「地域とともに 学生とともに」という大学運営のスローガンを掲げています。

島根創生に貢献できる人材育成に教職員一丸で取り組んでいます。

第3期中期計画(2019~24年度)で50%以上を目標に掲げる島根県内からの入学率や、県内就職率は順調で、さらに伸ばしたいです。

ただ数字だけでなく、地域課題解決の能力を養うため、教育の質を上げることも重要です。学生や県民のことを最優先に考えた「教育の県立大」でありたいです。

 

―県内企業への就職支援が手厚いですね。

県内就職を希望する学生を対象に年25万円を給付する「しまねの未来を担う人財奨学金」や、県内企業への長期実践型キャリア教育を実施しています。

また県内18市町村や商工団体と連携協定を結ぶ強固なネットワークも強みです。

出雲キャンパスでは地元の医療機関を交えた就職活動の交流イベントを積極的に開き、松江キャンパスでは2023年度、新たに「文化情報学科」を開設し、IT人材の育成にも注力しています。

―地元に定着しやすい県内高校生の受け入れに力を入れています。

高校との連携を深め、県内推薦枠を広げています。23年度は県内入学率が目標を超える52.6%に到達しました。

学生確保に向けた大学間の競争は激しく、22年度の全国の大学入学者数は約63万人でしたが、20年後には50万人前後まで減ると言われています。

厳しい状況でも県立大には島根を支える人材を育てる使命があり、県内高校生が進学しやすい環境を整えることが鍵だと考えます。

 

―23年4月には大田市の古民家を改修した「石見銀山まちを楽しくするライブラリー」を開設しました。

学生主体でカフェのメニュー開発やイベント企画を担っており、実践的な学びの場です。地元の高校や教育委員会とも協定を結び、子どもたちのライブラリー活用を促します。

地域との交流を深め、「島根らしさ」を追求する場所であり、各地で増やしていきたいです。

 

 

2023年の出生数は統計開始以来最少の75万人台となり、今後深刻な少子化が訪れます。

島根県立大学は地域の社会、経済活動などに貢献し、「教育の県立大学」として島根創生を担う人材作りに邁進して参ります。

若い皆さんも一緒になって島根県を是非とも盛り上げて欲しいと思います。

 

山下一也=岡山県和気郡出身(67歳)2023年に現職に就任。

医学博士、専門分野は神経内科、神経心理学。島根医科大学医学部卒業後、1991年にカリフォルニア大学デービス校神経科研究員として留学。94年から津和野共存病院院長、2002年から島根県立大学出雲キャンパス教授、12年から副学長などを経て23年から現職。

趣味はネットサーフィンとウォーキング。

公立大学法人島根県立大学HP