今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」は平安時代、「源氏物語」を書き上げた紫式部が主人公だ。その執筆は藤原道長が援助したとされる。物語に描かれた貴族の生活を知ることができる京都府の宇治市源氏物語ミュージアムを訪ねた。

 「新型コロナ流行後の規制緩和や大河決定後に来館者が増えています」と藤岡琢矢学芸員。宇治は光源氏の息子たちの恋愛模様を描いた「宇治十帖」の主な舞台。館内には囲碁を楽しむ女性を御簾(みす)越しに男性が垣間見をする様子が再現されている。出会いの事情が分かる場面だ。

 「宇治は都から牛車で6時間前後、適度に離れた自然豊かな藤原氏の別荘地でした。後...