巻き尺を使ってダイオウイカの大きさを測る島根大の吉田真明准教授(左)ら=しまね海洋館アクアス(浜田市・江津市)
巻き尺を使ってダイオウイカの大きさを測る島根大の吉田真明准教授(左)ら=しまね海洋館アクアス(浜田市・江津市)

 2021年1月に出雲市内の漁港で見つかったダイオウイカの特別展示が13日、しまね海洋館アクアス(浜田市・江津市)で始まった。普段は深海に生息する世界最大級の無脊椎動物の姿を間近に観察できる貴重な機会で、大勢の来場者が興味深そうに見入った。14日は公開解剖が行われる。

 胴体の長さ167センチ、体重170キロの個体で、出雲市猪目町の漁港に生きた状態で漂着した。一般的には足と呼ばれる「腕」の中で、最も長い触腕(しょくわん)は欠損しているが、県内で見つかった中では最も大きく、アクアスが研究用のため冷凍保管していた。

 島根大の吉田真明准教授=ゲノム生物学=が研究のため、解剖して組織の一部を摘出するのに合わせ、一般の来場者にイカの生態に興味を持ってもらおうと展示することにした。

 12日夜から、海水を張った展示プールにダイオウイカを入れて解凍。13日午後にはほとんど解けて柔らかい状態となり、来場者はカメラで撮影したり手の平をかざして大きさを比べたりした。埼玉県から訪れた大学3年生の白石萌音さん(21)は「普段見るイカとサイズが全然違う。間近に見られて感動した」と話した。

 吉田准教授は「イカの特徴を詳しく伝えるので、ぜひ公開解剖に訪れてほしい」と呼びかけた。特別展示は14日午前中までで、同日午後1時から同教授によるダイオウイカの公開解剖がある。

(中村成美)