Q.春に気をつけたい感染症は?
この季節に流行しやすい感染症は何でしょうか。注意するべきポイントはありますか?
YUBI先生の回答
春は気温のアップダウンがあり、さらに職場や学校といった環境の変化があるため、とてもストレスがかかりますよね。それだけでも、とても体調を崩しやすい時季だと思います。

そんな中、春になると気をつけなければならない感染症があります。2001年に発見された「ヒトメタニューモウイルス」です。ヒトメタニューモウイルスは気管支炎や肺炎を引き起こすウイルスで、主な症状は発熱、咳、鼻汁、頭痛などのほか、下痢・嘔吐などの消化器症状を起こすこともあります。
ぜんそくなど呼吸器疾患の持病があるお子さんが感染すると重症化しやすく、基礎疾患がある高齢者も注意が必要です。感染経路は主に「飛沫感染」ですが、ウイルスが付いたおもちゃや遊具などを介して感染する「接触感染」もあります。
ヒトメタニューモウイルスには有効なワクチンがなく、手洗い、マスク着用、換気など、日ごろからの基本的な感染対策で予防するしかありません。また、免疫力が下がると、ヒトメタニューモウイルスに感染しやすくなるため、よく寝る▽適度な運動をする▽ストレスをなるべく軽減するーなどの日ごろのケアが大切です。
インフルエンザウイルスにはタミフルなどの特効薬がありますが、このヒトメタニューモウイルスには有効な特効薬がありません。そのため、治療としては対症療法で体の状態を安定させながら、自然治癒を待つことになります。皆さん、元気にこの春を乗り切りましょう!
ドクター・ユビさん プロフィル
米子市出身。小児科医。2012年に「米子こどもクリニック」を開いた。ユーチューバー、ティックトッカー、保育園や訪問看護ステーションを運営する経営者として働く一方で、8児のパパとして奮闘中。子どもたちに「『口ではなく、背中で語る』男になりたい」と思っている。