Q. 「思春期早発症」 受診するべき?


 小1の娘、胸に小さなしこりがあると気づき、確認したら、膨らみ始めている様子で、早すぎでは?とびっくり。ネットで調べると「思春期早発症」という言葉が出てきましたが、受診するべきですか?

YUBI先生の回答


 小学校1年生ですと、6~7歳ですね。乳房発育には、一過性で進行しない「単純性乳房発育」というものがあります。これは原因不明で、経過観察で落ち着きます。ただ、思春期早発症との区別がつかないため、精密検査は必要となります。

「思春期早発症」の場合、保護者だけではなく学校とも連携し、包括的な支援体制を整えることも大切(YUBI先生提供)

 思春期早発症の診断基準は「8歳未満での乳房発育開始」です。そのため、質問者さんの娘さんは一度専門機関を受診し、ホルモン検査などをしていただいた方がいいと思います。

 思春期早発症には、「特発性」と「器質的疾患」によるものがあります。特発性が、いわゆる思春期早発症であり、器質的疾患としては脳腫瘍などが挙げられ、その副次的な作用から思春期早発症を生じているものになります。

 思春期早発症を疑ったらまずは全身の検査を行い、器質的疾患を探すことになります。器質的疾患が見つかれば、その治療を開始します。器質的疾患が除外されたら、特発性と考えます。

 特発性思春期早発症の主な問題点は三つ挙げられます。一つ目は、骨の成熟が早まり、骨端線閉鎖が早まることで、最終身長が低くなること。二つ目は、低年齢で、まだ本人の準備が整っていない状態で二次性徴が始まってしまうこと。三つ目は心的ストレスです。

 治療としては、思春期の進行を止める注射などを行います。本人の成長だけでなく、こころのケア、周囲の理解など、外的・心的サポートが必要となってきます。場合によっては、保護者だけではなく、学校との連携し、包括的な支援体制を整えることも大切です。
 

ドクター・ユビさん プロフィル
 米子市出身。小児科医。2012年に「米子こどもクリニック」を開いた。ユーチューバー、ティックトッカー、保育園や訪問看護ステーションを運営する経営者として働く一方で、8児のパパとして奮闘中。子どもたちに「『口ではなく、背中で語る』男になりたい」と思っている。


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