Q. 色覚障害かも? できることは


 緑色のことを「茶色」と言ったり、緑の芝生に咲く赤い花が見えにくかったりして、息子はもしかしたら色覚障害かも、と心配しています。何かできることはありますか?

YUBI先生の回答


 男の子は、20人に1人が色覚障害があると言われています。逆に、女の子は500人に1人と大変数が少なくなります。

病気ではなく生まれつきの「見え方の違い」なので、いかに付き合っていくかがポイント(YUBI先生提供)

 これは、色覚障害がX染色体にある遺伝子の異常で生じるためです。色覚障害は病気ではなく、生まれつきの見え方の違いであるため、治せるものではありません。そのため、いかに「付き合っていくか」がポイントとなります。

 本人が困っていなければ、特段対策は必要ないでしょう。ただ、例えば色分けテストを行う際に、赤と緑の区別が付きにくい子に対して、赤と緑のボールを使ってしまうと超難題になってしまいますので、赤と青にするなど、周りの配慮が必要です。

 学校などでは少なからず配慮されており、以前は「赤:重要」「黄色:テストに出るかも」「青:テストには出ない」など、板書時に色分けでポイントが強調されていましたが、最近はアンダーラインや丸で囲うなど、色分けとは違った方法が用いられるようになってきました。

 また、社会においても色覚障害への理解が進み、職業制限の緩和も進んでいます。パイロットなどの特殊な仕事でも、他の項目を含めた検査次第では、免許が与えられることもあるようです。

 色覚障害ではなく「色覚多様性」として、お子さんの現状を正確に捉え、具体的な対策に進んでみてはいかがでしょうか?

 最後に、後天的に生じた色覚障害については、何かしらの疾患による可能性があり注意です。ぜひ精密検査を検討ください。
 

ドクター・ユビさん プロフィル
 米子市出身。小児科医。2012年に「米子こどもクリニック」を開いた。ユーチューバー、ティックトッカー、保育園や訪問看護ステーションを運営する経営者として働く一方で、8児のパパとして奮闘中。子どもたちに「『口ではなく、背中で語る』男になりたい」と思っている。


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