緑色のことを「茶色」と言ったり、緑の芝生に咲く赤い花が見えにくかったりして、息子はもしかしたら色覚障害かも、と心配しています。何かできることはありますか?
男の子は、20人に1人が色覚障害があると言われています。逆に、女の子は500人に1人と大変数が少なくなります。
これは、色覚障害がX染色体にある遺伝子の異常で生じるためです。色覚障害は病気ではなく、生まれつきの見え方の違いであるため、治せるものではありません。そのため、いかに「付き合っていくか」がポイントとなります。
本人が困っていなければ、特段対策は必要ないでしょう。ただ、例えば色分けテストを行う際に、赤と緑の区別が付きにくい子に対して、赤と緑のボールを使ってしまうと超難題になってしまいますので、赤と青にするなど、周りの配慮が必要です。
学校などでは少なからず配慮されており、以前は「赤:重要」「黄色:テストに出るかも」「青:テストには出ない」など、板書時に色分けでポイントが強調されていましたが、最近はアンダーラインや丸で囲うなど、色分けとは違った方法が用いられるようになってきました。
また、社会においても色覚障害への理解が進み、職業制限の緩和も進んでいます。パイロットなどの特殊な仕事でも、他の項目を含めた検査次第では、免許が与えられることもあるようです。
色覚障害ではなく「色覚多様性」として、お子さんの現状を正確に捉え、具体的な対策に進んでみてはいかがでしょうか?
最後に、後天的に生じた色覚障害については、何かしらの疾患による可能性があり注意です。ぜひ精密検査を検討ください。












