昨年の覇者・琉球ゴールデンキングス相手にドリブルで攻め込む島根スサノオマジックの安藤誓哉選手(左)=4月14日、松江市総合体育館
昨年の覇者・琉球ゴールデンキングス相手にドリブルで攻め込む島根スサノオマジックの安藤誓哉選手(左)=4月14日、松江市総合体育館

 小学6年生の息子がいる知人が複雑な表情を浮かべていた。「(収入が不安定な)ユーチューバーになりたいという夢が冷めて安心したけど、次の目標が見つからず心配」。同じように子どもの将来に気をもんでいる親は多いのではないか▼ランドセル素材の人工皮革を製造販売するクラレ(東京)が全国の新小学1年生4千人を対象とした「将来就きたい職業」の調査結果をまとめた。動画投稿で広告収入を稼ぐユーチューバーは男の子で昨年5位に順位を上げたが、今年は7位にダウン。3年連続1位だった警察官を抜き、スポーツ選手がトップに返り咲いたという▼ユーチューバーの人気が低迷したというより、コロナ禍が明けて思う存分スポーツを楽しめるようになり、プロ選手を目指す子どもが増えたのだろう。山陰でもバスケットボール・島根スサノオマジックの選手に憧れる男の子は多い▼一方で、親が男の子に将来「就かせたい職業」の上位は公務員と会社員。特に会社員の割合は20年前と比べて倍増した。安定した生活を送ってほしいと思うのが親心。ただ、その思いを押し付けるのはかわいそうだ▼きょうは「こどもの日」。親子で子どもの将来について話し合ってもいいだろう。きょうの3面「論説」では、全力でわが道を突き進む女子生徒が主人公の青春小説『成瀬は天下を取りにいく』を題材にしている。会話のきっかけにしてほしい。(健)