赤ちゃんの笑顔には癒やされる。先日、産休中の同僚が乳児を連れて来社。春分の日の3月20日に生まれたという男の子はぐずることなく、次々とのぞき込む社員に笑みを見せていた▼今春、大学院に進んだ筆者の息子も同じ祝日の春分の日生まれながら、誕生日は3月21日だ。調べると、太陽の通り道である黄道と地球の赤道を天に延長した線が交わる2カ所を春分点、秋分点と呼び、春分点を太陽が通過する日が春分の日になるらしい。地球の公転は365日と約6時間かかり、春分点を太陽が通り過ぎる時間に毎年ずれが生じるため、必ずしも同じ日にはならないという。9月の秋分の日も然(しか)り▼成人の日など、3連休にするため月曜日に移した祝日を除いて、日付が変動するのは春分の日と秋分の日くらい。ところが今年は例外だ▼東京五輪の開会式や閉会式に合わせ、本来10月11日の「スポーツの日」を五輪開会式の7月23日に、前日の22日に同19日の「海の日」を移動。8月11日の「山の日」を日曜日で閉会式がある同8日に移し、翌9日を振り替え休日にした。都内の渋滞緩和が狙いだが、正式決定が昨年11月末になったため、修正が間に合っていないカレンダーや手帳も多い▼五輪開幕まで20日を切った。新型コロナウイルスのワクチン接種が進んでいるが、感染再拡大の不安は続く。あどけない赤ちゃんの笑顔にしばし閉塞(へいそく)感を忘れる。(健)