古典技法で描いた油彩画に見入る来場者=雲南市大東町下阿用、ギャラリーランドスケープ
古典技法で描いた油彩画に見入る来場者=雲南市大東町下阿用、ギャラリーランドスケープ

 ヨーロッパの古典的な技法で描いた油彩画展が、雲南市大東町下阿用のギャラリーランドスケープで開かれている。一般の油絵と違い透明感のある約40点の風景画が来場者を魅了している。入場無料。30日まで。

 「古典技法で描く油彩画展」と題し、ギャラリーを主宰する洋画家の阿蒜祐子さん(66)が毎年開催。今年は自身の作品と、2018年に72歳で他界した洋画家で夫の阿蒜隆之さんの作品を展示した。

 古典技法は油に色を溶かし、薄く塗っては乾燥させる作業を何十回も繰り返す。陶器の表面のような滑らかさと透明感を出す描き方で、完成に数年かかる作品もあるという。

 祐子さんが描いた「レクイエム3」(F15号)は夜桜をテーマにした作品で、花びらを一枚一枚緻密に描いている。12個の光が所々にあり、神秘的な雰囲気を感じさせる。隆之さんの「神門川源流」は、新緑と雪解け水が流れる沢が描かれ、日本の原風景の美しさが伝わる。

 コラボ企画として、出雲市在住の有線七宝作家・加田香子さん(61)の作品展も開催中で、約40点を展示している。 (福間崇広)