日本料理で現代の名工に選ばれている片地六治郎さん(83)=大田市長久町=を講師にした料理教室が28日、大田市祖式町のいきいき工房祖式であった。住民10人がだしの取り方や調理法の工夫でおいしくなる料理のこつを学んだ。
片地さんは祖式町出身で、関西や石川県の料亭で腕を磨いた後、1990年にUターンし、市内に懐石料理の店を開業。2006年に現代の名工に選ばれ、後進の指導にもあたってきた。教室は祖式まちづくりセンターが企画した。
片地さんは、季節を感じられるのが和食の魅力であることや、料理は食べる人が「おいしい」と思うために作るという基本を確認した上で、オムレツや田楽の調理を実演した。
だしの取り方では、昆布は沸騰前の90度で火を止め、かつお節は3~5分以内で取り出すと、おいしさが凝縮しつつも澄んだ味わいになると指導した。調理酒を素材に振る際に、霧吹きに入れたものが1本あると便利なことなど、ちょっとしたこつも伝授した。
地元から参加した菅森早千子さん(65)は「だしの取り方で味が変わる。日頃の料理に生かしたい」と話した。料理教室は24年度中に計6回開く計画。(勝部浩文)