Q.熱中症対策、大人と子どもの違いは?


 熱中症の症状や対策に、大人と子どもの違いはありますか?特に乳幼児で気をつけるべきことを知りたいです。

YUBI先生の回答

 

子どもは体温調節が苦手。早めの休憩や水分摂取を心がけよう(YUBI先生提供)

 今年の夏も暑くなりそうですね。総務省消防庁の発表によると、2023年5~9月の熱中症による救急搬送の累計は9万1467人だったそうです。少しでも涼しくなって、患者さんの数が減ることを願うばかりです。

 さて、大人も子どもも注意が必要な熱中症ですが、今回は子どもの熱中症についてお話しします。

 子どもは大人と比べ、汗をかく能力が未発達です。そのため、皮膚表面の血流量を増やすことで、周囲に熱を放散させ、体温調整をしています。

 気温が低い場合は熱放散しやすいですが、気温が高い場合は熱放散しにくく、熱が体にこもり、熱中症のリスクが高くなります。乳幼児に至っては、この体温調整機構そのものが未熟であるため、さらにリスクが高くなります。

注意点は次の通り
(1)水分を多めにとること。新陳代謝の活発な子どもは尿量が多く、脱水になりやすいです
(2)熱や日差しに気を付けること。熱放散での体温調整が難しいからです
(3)地面の熱に注意すること。ベビーカーなど、地面に近いと地熱の影響を受けやすいので要注意です
(4)置き去りは絶対にやめること。車の中は特に熱がこもりやすく、脳障害をきたすこともあります
(5)室内でも注意すること。特に湿度が高いと汗をかきにくく、体温調整が難しくなります


 大人も子どもも、外遊びに夢中になっていると、のどが渇いた、少し気分が悪いなど、熱中症の初期症状を見落としがちです。大人が平気でも、子どもたちが熱中症になっていることもあるので、早めの休憩、水分摂取を心がけて下さい。

 

ドクター・ユビさん プロフィル
 米子市出身。小児科医。2012年に「米子こどもクリニック」を開いた。ユーチューバー、ティックトッカー、保育園や訪問看護ステーションを運営する経営者として働く一方で、8児のパパとして奮闘中。子どもたちに「『口ではなく、背中で語る』男になりたい」と思っている。


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