
咳がよく出ると思っていたら、小児ぜんそくと診断されました。もっと早く病院に行っていればと後悔しました。受診が必要なのはどんな咳ですか?
「咳ぜんそく」など診断名が出ると、ドキッっとしますよね。もっと早く病院に行っていればというお母さんの後悔、とても分かります。でも、これはお母さんのせいではありません。

咳ぜんそくは「もともと生まれ持っていたかどうか」という病気ですので、「早く病院に行っていれば咳ぜんそくにならなかったのに…」ということはないのです。
「じゃあ、生まれ持ったものだから、結局はお母さんのせいじゃないか!」という人もいると思います。でも、咳ぜんそくの母から生まれた子が咳ぜんそくになったとして、そのお母さんはおばあちゃんから引き継いで、そのおばあちゃんはひいばあちゃんから引き継いだわけです。
とすると、結局はお母さんのせいではないし、誰のせいでもありません。
受診が必要な咳を見極めるポイントは二つ。一つは「長引くかどうか」、もう一つは「苦しいかどうか」です。
長引く咳(慢性咳(がい)嗽(そう))として、医療機関受診の一つの目安は2週間です。慢性咳嗽の定義は3週間以上ですが、私はここまで待つ必要はないと思います。
苦しいかどうかを見分けるこつは、努力呼吸です。努力呼吸は「一生懸命息をしている状態」のこと。具体的には、肩で息をする、息を吸うときにのど仏の下がへこむ、ゼーゼー言っているなどが挙げられます。
努力呼吸の有無に関わらず、子どもであれば、元気がなくなっているなら病院に行きましょう。もちろん大人の方も、咳が長引いたり、苦しいと感じたりしたら、無理せず病院を受診して下さいね。