Q.受診が必要な咳はどんな咳?


 咳がよく出ると思っていたら、小児ぜんそくと診断されました。もっと早く病院に行っていればと後悔しました。受診が必要なのはどんな咳ですか?

YUBI先生の回答


 「咳ぜんそく」など診断名が出ると、ドキッっとしますよね。もっと早く病院に行っていればというお母さんの後悔、とても分かります。でも、これはお母さんのせいではありません。

咳が長引き、苦しそうなら病院を受診しよう(YUBI先生提供)

 咳ぜんそくは「もともと生まれ持っていたかどうか」という病気ですので、「早く病院に行っていれば咳ぜんそくにならなかったのに…」ということはないのです。

 「じゃあ、生まれ持ったものだから、結局はお母さんのせいじゃないか!」という人もいると思います。でも、咳ぜんそくの母から生まれた子が咳ぜんそくになったとして、そのお母さんはおばあちゃんから引き継いで、そのおばあちゃんはひいばあちゃんから引き継いだわけです。

 とすると、結局はお母さんのせいではないし、誰のせいでもありません。

 受診が必要な咳を見極めるポイントは二つ。一つは「長引くかどうか」、もう一つは「苦しいかどうか」です。

 長引く咳(慢性咳(がい)嗽(そう))として、医療機関受診の一つの目安は2週間です。慢性咳嗽の定義は3週間以上ですが、私はここまで待つ必要はないと思います。

 苦しいかどうかを見分けるこつは、努力呼吸です。努力呼吸は「一生懸命息をしている状態」のこと。具体的には、肩で息をする、息を吸うときにのど仏の下がへこむ、ゼーゼー言っているなどが挙げられます。

 努力呼吸の有無に関わらず、子どもであれば、元気がなくなっているなら病院に行きましょう。もちろん大人の方も、咳が長引いたり、苦しいと感じたりしたら、無理せず病院を受診して下さいね。

 

ドクター・ユビさん プロフィル
 米子市出身。小児科医。2012年に「米子こどもクリニック」を開いた。ユーチューバー、ティックトッカー、保育園や訪問看護ステーションを運営する経営者として働く一方で、8児のパパとして奮闘中。子どもたちに「『口ではなく、背中で語る』男になりたい」と思っている。


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