記録的な大雨で県道が崩落し、孤立状態になった出雲市大社町日御碕地区の住民を市内のスーパーに運ぶシャトルバスが13日、運行を始めた。課題だったごみの回収日や診療所への定期的な医療スタッフの派遣も決まり、日常生活を取り戻す動きが出てきた。
シャトルバスは出雲観光タクシーが運行。9人乗りのジャンボタクシーで、崩落現場付近の中山バス停から同市大社町北荒木の「ショッピングタウン エル」まで1日6往復する。地区側から約200メートルの迂回(うかい)路を歩いて通ってきた地区住民が乗り込み、帰りには食料品の入った箱を抱えてバスを降りる姿があった。15日まで続け、16日からは一畑バスが中山バス停から出雲大社バスターミナル間を1日7往復する。
収集車が入れず、9日以降、回収できていないごみは、市が17日に燃えるごみを臨時収集する。地区側の崩落現場付近に集積場を設け、住民に同日午後1時から同2時までに車などで持ってくるように呼びかけている。収集車2台を用意し、市職員や委託業者が迂回路を通って集積場へ行き、手作業で収集車まで運び入れる。市環境施設課は搬出作業の様子を見ながら、その後の収集の時期や方法を検討するとしている。
また、7月中は毎週火曜日の午後2時から同4時まで、市立総合医療センターから日御碕診療所に医師1人、看護師1人を含む医療スタッフ4人を派遣し、診療に当たる。処方箋はスタッフがファクスで知らせ、市医療介護連携課が持参した薬を住民が日御碕コミュニティセンターで受け取る。
シャトルバスを利用し、買い物に出掛けた自営業の真野兼明さん(52)は「みんなで助け合っていくことになると思うが、少しずつ生活環境が整ってきた。早く道が通れるようになってほしい」と願った。
(佐野卓矢、片山皓平)