26日にいよいよ開幕
花の都で盛り上がり期待
スポーツの祭典、パリ五輪が7月26日~8月11日に開かれます。「花の都」と呼(よ)ばれるフランスの首都パリは観光名所の多い、華(はな)やかな都市です。東京五輪は新型(しんがた)コロナウイルスのため、ほとんどの会場で観客を入れずに行われましたが、今大会はたくさんのお客さんでにぎわい、もり上がることが期待されています。
パリでの五輪は3度目です。前回は1924年に開かれており、ちょうど100年ぶりです。五輪はいつもは4年おきに開かれますが、前回の東京五輪はコロナの影響(えいきょう)で2020年から21年に延期(えんき)されました。今大会は東京五輪から3年で行われます。
■選手入場は船で
パリの名所を生かす計画が立てられています。特に話題となっているのが、中心部を流れるセーヌ川での開会式で、選手が船に乗ってパレードする予定です。今までは競技場(きょうぎじょう)を入場行進するのが一般的(いっぱんてき)だったので、目新しい取り組みです。他にもエッフェル塔(とう)やベルサイユ宮殿(きゅうでん)など、観光地で競技を行うことになっています。
一方でサーフィンは、フランス領(りょう)ポリネシアのタヒチという場所で行われます。フランス本土とは地球のほぼ裏(うら)側に当たる、南太平洋にうかぶ島です。サーフィンに向く大きな波が来ることで有名です。
■男女平等が実現
競技の数は3年前の東京五輪から一つ減(へ)って、32となりました。リズミカルな音楽に合わせて踊(おど)るブレイキンが初めて行われます。若者(わかもの)に人気があり、五輪では新しいタイプの競技として注目されています。「男女平等」が実現(じつげん)するのも大会の特徴(とくちょう)の一つです。近年増(ふ)えつつある女子選手の割合(わりあい)が、東京五輪の約48%を上回って50%になり、史上(しじょう)初めて男女同数になります。
日本勢(ぜい)は順調に五輪の出場権(しゅつじょうけん)を手にし、特にバスケットボールやバレーボールなど球技(きゅうぎ)の活躍(かつやく)が目立ち、400人をこえる選手が出場しそうです。自国で開かれ、たくさんの人が出場できた東京五輪をのぞけば、これまでの五輪で最も多い人数になる見通しです。
■参加ゆるされず
明るい話題ばかりではありません。ウクライナに侵攻(しんこう)したロシアと、それを助けるベラルーシは国としての参加をゆるされず、戦争に賛成(さんせい)していないことなどの条件(じょうけん)をクリアした選手のみ、個人(こじん)の中立選手として出場がみとめられます。国歌を歌ったり、国旗をあげたりすることはできません。
そろって連続「金」を
柔道、阿部きょうだい
柔道(じゅうどう)男子66キロ級の阿部一二三(あべひふみ)選手と、妹で女子52キロ級の阿部詩(うた)選手が2大会連続の金メダルに挑戦(ちょうせん)します。26歳(さい)の一二三選手は「妹がいるから負けられない」とやる気をみなぎらせ、きょう14日が24歳の誕生日の詩選手も「2人で金メダルを持って帰りたい」と気合が入っています。
一二三選手は6歳、詩選手は5歳の時に柔道を始めました。先に活躍(かつやく)する一二三選手を追いかけて妹も成長。ともに日本一、世界一にかがやいて「最強のきょうだい」と呼(よ)ばれています。
ごうかいな投げっぷりが2人の持ち味で、おもしろいように相手を畳(たたみ)にたたきつけます。そのスタイルは柔道にくわしくない人も引きつけ、人気があります。詩選手は「いっしょに柔道界をもり上げていきたい」との目標も口にしています。
3年前の東京五輪に続いて2人の試合は同じ日に行われ、柔道人気の高いフランスでも大きな注目を集めています。