ペルセウス座流星群の流れ星=2023年8月13日午後10時6分、松江市八束町波入(松江星の会提供)
ペルセウス座流星群の流れ星=2023年8月13日午後10時6分、松江市八束町波入(松江星の会提供)

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 本格的な観測について、島根大学天文部(70人)にも取材した。手法は松江星の会から伝授された「グループ・多重計数観測記録用紙」を用いたやり方だ。星の出現時間や流れた方角、明るさ(等級)のほか、流星群の星(群流星)なのか、それ以外の流星(散在流星)なのかなども細かく記録できる。用紙は「日本流星研究会」のサイトからダウンロード可能だ。

島根大学天文部が記入した「グループ・多重計数観測記録用紙」(右)。流星群の流れた方角や明るさ(等級)などを細かく記録できる。熟練になると、流れ星の速さなども分かって計測できるようになるという


 実際に昨年12月、ふたご座流星群の観測では部員20人弱が集まり、学校屋上で観測。最低気温6.5度と凍える寒さの中、毛布にくるまり奪い合いながら円になって並び、40分間で9個の流れ星を記録できた。部長で生物資源科学部2年の大槻新(あらた)さん(19)は「お盆で帰省する人も多いが、残る人がいたら観望会を開きたい」と話す。

学部棟の屋上でブルーシートの上に寝っ転がり、円になって観測する様子を再現する島根大天文部のメンバー=松江市西川津町、島根大学

 

惑星と合わせた天体ショー


 今年はさらに、東の空に見える二つの惑星にも注目したい。ペルセウス座とオリオン座の間にある「木星」と「火星」が、見た目で重なっているように見えるのだ。

 実際に最も近づくのは8月15日の明け方で、月の見かけの大きさ(視直径)が0.5度なのに対し、木星-火星間は0.3度となるため、ほぼ一つに見えるのだという。

 見た目が白く光る木星は毎年見られるが、赤く光る火星は2年2カ月周期で地球に接近して観測できることから、ペルセウス座流星群以上に注目すべきかもしれない。安部会長は「とてもきれいな現象。流星とともにぜひ並べて撮りたい」と声を弾ませる。

木星と火星が重なるように見えるのも、この時期見逃せない天体ショーだ(国立天文台提供)

 夏の夜空は西に夏の大三角形があり、西から東の空にかけて天の川も見えてくる。今年は流れ星のみならず、星空全体をじっくり眺めてみてはどうだろうか。

(鹿島波子)

 

天体イベント紹介


 「松江星の会」が松江市と共催する天文教室は、8月12日に大塚山公園(松江市八束町波入)で行われる。事前予約が必要で、申し込み多数の場合は抽選となる。

 詳細は、【ペルセウス座流星群】夏の星空観察 関連記事・天体イベントまとめ(2024年7~8月)<島根県・鳥取県>