障害者は災害発生を覚知できないことがある上、「周囲に迷惑がかかる」と避難所に行くことを控える人もおり、救援の手が届きにくい。東日本大震災から10年。地域の住民は何ができるか。各地で災害弱者を取り残さないための模索が続く。 脳性まひで手足が不自由なため車いすを使う神戸市の野橋順子さん(45)は1995年、当時住んでいた市営住宅で阪神大震災を経験した。26年たつが「自宅近くに福祉避難所はなく、災害時の個別支援計画も作られていない。今また災害が起きたらどうなるか、本当に不安」と話す。
震災発生時、自室で1人で寝ていた野橋さん。大きな揺れに目覚めると、足元にテレビが落ちていた。床に散乱した物や...