中国四国農政局がホームページ上に開設する「子どものための夏休み企画」と銘打った特設ページ
中国四国農政局がホームページ上に開設する「子どものための夏休み企画」と銘打った特設ページ

 夏休みも後半に入り、手付かずの宿題が気になりだした子どもたちも多いことだろう。「自由研究って何したらいいの?」と頭を抱える子に、中国四国農政局は身近な農林水産業と食生活のつながりについて学べる特設ページを公開している。

 のぞいてみると、食料自給率がカロリーベースで40%を下回る中、国内で消費されるお米は99%が国産と紹介。だけど消費量はこの50年で半減し、使われない田んぼが増えている、とある。「あれ? お米は足りないんじゃないの?」と疑問に思い、調べる子がいたら、目の付け所に先生は大きな花丸をくれるに違いない。

 昨年夏の猛暑による収量減に加え、インバウンド需要が増加し品薄感に拍車をかける。コメ余りが常套句(じょうとうく)だったこれまでと一変し、「令和の米騒動」とも。先日訪れたスーパーの売り場も棚は寂しく、購入制限の注意書きがあった。

 ならば増産を、とは簡単にはいくまい。農家は高齢化し、担い手は減り続けている。拡大の余力は乏しく、現状維持で精いっぱいというのが実態だろう。異常気象も立ちはだかり、昔と同じようには作れない。今となっては品種転換の遅れが響く。

 中国四国農政局は子ども相談室で質問を受け付けているから、聞いてみてはどうだろう。「大人になってもお米は主食ですか?」「外国のお米を普通に食べる時代が来ますか?」。農政に課せられた重たい宿題である。(史)