全国盲学校フロアバレーボール大会のホームページ
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 パリ五輪は閉幕したが、高校野球の甲子園大会、月末のパラリンピックと注目のスポーツイベントはまだ続く。そんな中で静かに闘志を燃やす島根の生徒たちがいる。20日から3日間、東京で開かれるフロアバレーボールの全国大会に県立盲学校(松江市西浜佐陀町)が初出場する▼フロアバレーボールはコートの片面が9メートル四方、中央の床上30センチのネットを挟み、隙間を狙いボールを転がし合う。1チーム6人。前衛の3人はアイマスクを着け、全く見えない状態でプレーする。ボールの音や後衛のチームメートらの声がけが頼りだ▼同校は高等部の普通科のほか、マッサージ、はり、きゅうの資格を取るために学ぶ17歳から54歳までの幅広い年代でチームを組む。練習は授業や放課後の限られた時間。今春は思わぬ〝逆風〟が吹いた。松江市営バスの減便だ。部活動に適した時間帯のバスがなくなり効率化が求められた▼活用したのは昼休み。競技は体力だけでなく戦術とチームワークが大切なだけに、ミーティングを重ね、量の不足を質で補ってきた▼全国大会の競技種目は「盲人野球」と呼ばれたグランドソフトボールだったが、生徒数減少などの理由で、2017年度にフロアバレーボールへ変更された。少子化の波はあらゆる分野に影響する。運営や参加資金の確保も課題。生徒らの成長の場をなくしてはならないとの関係者の思いが現場を支える。(万)