指導係から運転方法の説明を受ける記者(右)=松江市中原町、松江しんじ湖温泉駅
指導係から運転方法の説明を受ける記者(右)=松江市中原町、松江しんじ湖温泉駅
出発前に無線を使ってアナウンスする報道関係者(右)=松江市中原町、松江しんじ湖温泉駅
出発前に無線を使ってアナウンスする報道関係者(右)=松江市中原町、松江しんじ湖温泉駅
指導係から運転方法の説明を受ける記者(右)=松江市中原町、松江しんじ湖温泉駅
出発前に無線を使ってアナウンスする報道関係者(右)=松江市中原町、松江しんじ湖温泉駅

 一畑電車(出雲市平田町)が、全国の鉄道路線で初となる本線上での電車の運転体験を始める。松江しんじ湖温泉駅(松江市中原町)から約250メートルの区間を2往復する内容。最終電車が到着した午後10時以降に出発し、暗闇の線路上をヘッドライトを照らしながら走り、無線指令のやりとりや信号確認も体験できる。21日から冬季を除く月1回実施し、全国の鉄道ファンの集客を狙う。

 同社は2001年、雲州平田駅(出雲市平田町)の車庫内で全国の鉄道会社に先駆けて体験運転を始め、注目を浴びた。本来は本線上の運転は専用の免許が必要だが、今回は午後10時から2時間、電車を進入させない線路閉鎖の手続きを実施。線路上の安全装置増設や車内外の見張り員配置、線路脇の防護フェンス設置などの安全対策も講じ、国土交通省の許可を得て実現した。

 体験運転は松江しんじ湖温泉駅に午後9時50分に到着する最終電車の車両を使用。アクセルに当たるマスコンやブレーキハンドルを使い、線路上に設けた停止位置目標を目指して約5分かけて往復する。最高時速は15キロで、出発前はハンドル操作ができるマスコンキーの挿入や、運転席にある列車無線で雲州平田駅の運転指令員と対話後、前方の信号表示が切り替わる様子も体験できる。

 7日は報道陣向けに実施した。同社によると、2両編成の1000系電車に加えて、京王電鉄から譲渡された2100系と5000系を含む計3種類が運転できるが、運用上の都合で使用車両はイベント当日まで分からないという。

 参加費は1人10万円で、過去2年以内に雲州平田駅で実施する「一畑電車プレミアム体験運転」に参加した18歳以上が対象となる。定員は各開催日6人。石飛貴之取締役常務執行役員は「本線上の電車を運転できる全国にない取り組みで、鉄道に興味がない人にも参加してもらいたい」と話した。

(石倉俊直)