買い物をするたびに、食品の値上がりを痛切に感じる。物価高から値段をじっくり見るようになったこともあるのだろう。商品に伸ばしかけた手を思わず引っ込めてしまうことも。菓子類を買おうとして、「量が減ったな」と感じることも。
こんな思いが、ますます強くなりそうだ。帝国データバンクの調べでは、10月に値上げが予定されている食品は、約2900品目に上るという。おなじみの菓子やペットボトル飲料…。今年2度目の値上げになる物もあり、ますます購入する際の吟味が必要になりそうだ。
日々の食卓に欠かせない野菜も同様。よく口にするキャベツ、キュウリ、大根、白菜、ピーマン、ジャガイモなど14品目は、野菜生産出荷安定法に基づく「指定野菜」。消費量が多く重要度が高い品目として位置付けられ、供給や価格の安定を目的に指定されている。とはいえ近年の異常気象。たびたびの価格高騰に家計が圧迫される。
きょうから10月。郵便料金も値上げされ、はがきは従来の63円から85円に。重さにより84円、94円だった手紙は50グラムまで110円に統一。来年の年賀状を例年通り出すか、または「年賀状じまい」か。思案する人も多いのではないか。
松江、鳥取両市の消費者物価指数は30カ月以上連続で前年同月を上回る。収穫の時季を迎え、<天高く馬肥ゆる秋>とは言うものの、こうも物価高が続けば、財布は細るばかりだ。(彦)