協力して一式飾りの作品を仕上げる児童たち=出雲市西平田町、平田小学校
協力して一式飾りの作品を仕上げる児童たち=出雲市西平田町、平田小学校

 出雲市西平田町、平田小学校の4年生67人がこのほど、地域の伝統芸術「平田一式飾り」を作った。島根県の観光キャラクター「しまねっこ」とアニメのキャラクター「アンパンマン」を協力して完成させた。

 児童は総合的な学習の一環で、地元の保存会技術部から針金の絡ませ方などを教わり、地域の伝統を体験した。延べ4日間かけてタイルや皿、箸置きなどを使って一式飾りを作った。

 最終日は目や耳、手などを付け、動きや表情を整えて仕上げた。しまねっこは金属製の傘立てを芯にして周囲に黄色のタイルを付け、首にはしめ飾りを巻いた。

 磯田蒼空(そら)さん(10)は「初めての体験で針金を十字に結ぶのが難しかったけれど、教わりながら完成させることができてうれしい」と話した。

 平田一式飾りは出雲市無形民俗文化財で、陶器などの生活用具を針金などで組み合わせて物語の一場面や人物を表現する。江戸時代後期、表具師が茶道具一式で「大黒天」を作り、平田天満宮に奉納したのが始まりとされる。(佐藤一司)